無情にも県リーグ降格へ。山梨県のチームがゼロに。

関東フットサルリーグ参入戦

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水海道総合体育館

ペスカドーラ町田アスピランチ 42 フュンフシュピーラー山梨

 

 

彼らにとってこの試合の終了の笛はシーズンの終了を意味する。自分たちの結果以上に大きな意味を背負い戦ったグリーンのジャージを身に纏った彼らはその笛の瞬間、涙と共に崩れ落ちた。

 

大きな背中でチームを引っ張り続けたキャプテンの市村はしばらくユニフォームで顔を覆い気持ちの整理をつけることができなかった。『これが自分たちの実力。』と試合を振り返り、肩を落とした。

 

フュンフは攻め込む時間帯は多くありながらもフィニッシュまでは行く回数が少なかった。GKの位置を変更し複数のメンバーのパターンで攻め込んだパワープレーもうまく生かせずに苦しい展開のまま最後は時間をコントロールされて試合が終了。

 

キャプテンの市村選手にこの試合と今シーズンを振り返ってもらった。

 

追いつけるというポジティブなメンタル面のことを話した

 

-この試合を振り返ってください。

「これが実力だと思います。自分たちの実力が出た結果だと思います。」

 

-前半が始まってからの数分間は押し込む時間が長かった印象があります。その場面を振り返ってください。

「そうですね・・・。あのチャンスでこっちが1点でも先制していればもうちょっと状況が変わったかもしれないし、もうちょっとゴールという意識を持ってやれていれば展開が変わったのかなと思います。自分たちの持ち味であるボールの保持をやってしまって、それが後手に回ったのかなと思います。」

 

-前半が終わって0-2。ハーフタイムにはどのような話をしていましたか?

「選手権でも負けている相手(前半1-2、後半に2-2へ追い付いた後リードされるが3-3の同点に。PK1-3で敗戦)だったのでやることは変わらずに。0-2だったので選手権のこともあったので追いつけるというポジティブなことですね。戦術的なこととかではなくてポジティブなメンタル面のことを話して後半に入りました。」

 

3点目を取られた後すぐにパワープレーに出たわけですが、噛み合わずにフィニッシュまで行けない状況が多い印象でした。

「そうですね。できればパワープレーしないで勝ちたかった。結果を出したかったんですけど、そうなっちゃったことはしょうがないので。パワープレーの練習不足ということもありますし、本当ちょっとのズレであったり。それでフィニッシュまで行けないというのが出ちゃったと思います。」

 

 

自分らが経験してきたことを伝えていって山梨県のフットサルに良い影響を与えられれば。

 

 

-先程言っていた「これが実力」ということに関してこの1年をどのように分析しますか?

 「技術面とかに関しては自信があるんですけど、走力ですね。走り負けだったり。もう結構、年齢層の高いチームなのでアスピランチみたいに若い子に対してやっぱり走力が一番だなと。1年通して0-2から3点取る力が今年はなかったなというのもありますし。フィジカルというか・・・うん、走力ですね。」

 

-これまで関東リーグの舞台で戦って山梨県のフットサルシーンを引っ張ってきました。県リーグに降格したことで関東リーグで戦う山梨県のチームがなくなってしまいましたがそういった状況についてはどう感じていますか?

「エンジョイの人口は多いんですけど、やっぱり他の県に比べて山梨県は競技人口が少ないので本当は関東2部に居据わってモチベーションを上げていきたかったんですけど・・・。こういう結果になってしまったので県リーグで意識の高さとか関東リーグの面白みを伝えていってまた戻ってきたいと思っています。」

 

-県リーグの中でもレベル的な意味ではフュンフに追いつけ追い越せの構図になると思いますが?

「そうなってくれれば山梨県の底上げになって、関東リーグに1チームだけじゃなくて2チームとか出てきてくれれば嬉しいんですけどね。そういった意識付けも自分らが経験してきたことを伝えていって山梨県のフットサルに良い影響を与えられればいいかなと思ってます。」

 

-これで2016年のシーズンが終了となります。改めてどういったシーズンでしたか?

「やっぱり悔しいシーズンでしたね。去年が3位で今年が入れ替え戦に回ってしまって。去年とはもちろん人も違いますけど去年できていたことが今年はできていないとか、年を重ねてフィジカルが落ちたのか・・・。全部まとめて一言でいうと本当に悔しいシーズンでしたね。」

 

 

もう一度この舞台へ!

 

 

「自分たちの持ち味であるボールの保持をやってしまって、それが後手に回った」と、まずはこう振り返った。

フットサル、延いてはフットボールは非常に奇妙なスポーツだ。彼らのように持ち味を出してもそれが仇となってしまうことがある。おそらく彼らには自分たちの形を打ち破ってでも攻撃に出る勇気がシーズンを通じて少しだけ足りなかったのかもしれない。

自分たちのスタイルで勝てなかったことは彼の「悔しかった」の一言に集約されている。

 

 

数年前、山梨県のある監督は「フュンフしか強いチームがない。なんとしてもそこに追いつかないといけないし、追い越さなければ山梨県がダメになってしまう。」と話していた。

そのフュンフが県リーグに降格となると目標とするところがなくなってしまうのではないかという思いもあるが、彼が言うように県リーグでその力を、意識の高さを体感するまたとないチャンスでもあるだろう。

 

 

未来のことはわからないが、おそらく18番の大きな背中がこの舞台へチームを連れてくることだろう。